LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
【映画「それでも恋するバルセロナ」ロケ地!霧の中に佇む北スペインの古都・オビエドへ】
10月に入り、バルセロナは急に秋の風がやってきました。今は薄手のコートがないと寒くて出られないほどです。9月中旬までとても暑く、ビーチには人があふれていたのですが、週末をはさんで急に秋らしい気候に。冬じたくもそろそろです。
さて、今回は、カタルーニャから遠く離れたスペインの北側、アストゥリアス地方にある「オビエド」(Oviedo)という町を紹介します。
この町のことを知ったのは、私が3年前にバルセロナに来る前に観た映画「それでも恋するバルセロナ」(2008年公開)。ウディ・アレン監督が描く美しい情景と、ペネロペ・クルスやスカーレット・ヨハンソンによる機微に富んだ人間模様に引き込まれました。この映画の中で主人公たちが旅したのが、バルセロナから飛行機でおよそ1時間の距離にあるオビエドなんです。
こちらはオビエドの大聖堂。
まずは食の魅力からご紹介!アストゥリアス地方の名物は、シードルというリンゴの発泡酒です。
このボトル1本で3€程度と、気軽に飲むことができるリーズナブルな価格。スペインの飲み屋は「バル」といいますが、こちらではそれを「シードレリア」と呼ぶほど、このシードルが代表的な飲み物なのだそうです。
注文すると、このように高い位置からシードルをグラスに注いでくれます。これはパフォーマンスとして多くの観光客に喜ばれていますが、高い位置から注ぐことでお酒の中に空気を取り込ませ、味を良くするという立派な目的があるとのこと!
そしてもう1つの名物がこちら。
「カチョポ」と呼ばれる、豚肉と牛肉とハムをミルフィーユのように重ねたものにチーズを入れた料理です。巨大なのでこんなに食べきれない!と思いましたが、溶けたチーズと薄切り肉、そしてサクサクの衣が軽くてあっという間に完食!
さて、たくさん食べたところで街歩き。
オビエドはストリートアートにも力を入れているそうで、町のいたるところにかわいい銅像やオブジェがあります。
しばらく歩くと、見つけました!「それでも恋するバルセロナ」の監督、ウディ・アレンの銅像です。
せっかくなので一緒に撮影。
次に訪れたのは、中心部から車で10分ほどのところにある教会。今回の旅の目的地でもあります。住宅街を抜けたところにある「ナランコ山」を上っていくと…
霧の中にぽつんと浮かび上がってきた重厚な建物。ここはなんと、「それでも恋するバルセロナ」のロケ地なんです!
この「サンタマリア・デル・ナランコ教会」は8世紀に建てられた石造りの教会。地元の人々に今も愛される小さな聖地です。
映画の中では、初めてオビエドを旅した主人公たちが、この山の上で幻想的な雰囲気に圧倒されていた姿が印象的でした。
外階段は崩れそうでちょっと怖かったのですが、重厚な石の空間から周りにさえぎるもののない美しい景色を眺めていると、中世の童話の世界に入り込んだようです。
食にロケ地めぐりに盛りだくさんのオビエドは、マドリードやバルセロナから1泊程度で気軽に行くことが出来ます!
次回も、スペインの魅力的な町を紹介します!お楽しみに!
※前回までの記事はこちら!