LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
「カタルーニャの薔薇と本のお祭り!サン・ジョルディの日」
バルセロナは20度を上回る日が続き、気持ちの良い気候になってきました。
4月23日は「サン・ジョルディの日」。カタルーニャのお祭りの日で、現代では男性が女性にバラを、女性は男性に本を贈る習慣があります。
昨年はたまたま日曜に重なったこともあり、大きな通りでは前に進めないほど人があふれ、盛大な「本とバラのお祭り」となっていました。昨年の記事はこちらからご覧くださいね!
毎年、曜日に関わらず「サン・ジョルディの日」は4月23日。今年は月曜でしたので昨年より人出は少なかったですが、それでも街には青空の下作られた本屋さんと多くの人々が!皆さん、会社や学校を休んで来ているのでしょうか…。
アントニ・ガウディ設計の邸宅「カサ・バトリョ」も例年通りバラで飾られ、普段の美しい外観がより輝きを増しています。
そして、今年は昨年とは違う景色もありました。
こちらは昨年と同じ日のバルセロナ市庁舎前です。バルセロナ市庁舎前の広場は、旧市街の観光エリアの中にある、とても賑やかな場所。今年は、政治の動きがお祭りに色濃く反映されていました。
昨年の秋に大きな事件となったカタルーニャ州独立問題ですが、今年は市庁舎の入り口にカタルーニャ独立を謳う大きな旗を掲げている人がいました。漢字で「独立」とも書いてあります。
「サン・ジョルディの日」はこの日のキリスト教の守護聖人を祀る日なので、もともと政治とは関係のないものです。でも、カタルーニャの人々がとても大事にしている地元独自のお祭りであることや、今年の独立運動の盛り上がりも相まって、政治色の強い「サン・ジョルディの日」となっているようです。
そして、旧市街の広場では、独立派のカラーである黄色のバラを差す場所が設けられ、多くの人が集まっていました。普段は赤いバラの花を贈る習慣がある「サン・ジョルディの日」ですが、今年はあえて黄色いバラを使うことで、独立問題への民意を表しているんですね。
今年は少し政治色のあるお祭りとなりましたが、若い人たちが地域の政治に関心を持ち、地域のイベントを利用してその意思を表そうとするところは、ヨーロッパ社会らしいなぁと思いました。
異性にバラの花や本を贈るこのお祭り、日本では「本の日」ともいわれているそうで、本屋さんでキャンペーンが催されていることもあるそうです。来年はぜひチェックしてみてくださいね!