LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
【中世のお城に泊まる!
バスク地方・オンダリビアの「パラドール」体験】
バルセロナはバカンスシーズン真っ最中で、観光地エリアは世界中から集まった人々で大混雑です。逆に、生活エリアでは、皆バカンスに出かけてしまったことで町が静かになってきました。
この時期、空き巣も多く発生するそうなので要注意です…!
さて、皆さん、スペインには本物のお城に泊まることができるホテル、「パラドール」があることをご存知ですか?
今回私が訪れたのは、スペイン北部のバスク地方にある「オンダリビア」(Hondarribia)という町にある「パラドール」です。
この町は、前回ご紹介した世界一の美食都市と呼ばれるサン・サバスチャンの隣にあり、フランスとの国境がある小さな町。
町には木造のカラフルな家々が並び、とても素朴でかわいらしい街並みです。
「パラドール」とは、スペイン全土に展開している国営のホテル。中世の城や貴族の邸宅や修道院などの古い建造物をホテルとして再利用した施設なんです。
その中には世界遺産に登録されている建物もあり、なんとアンダルシアにある「アルハンブラ宮殿」の中にも、修道院を改装したパラドールがあります。
当時の姿そのままの建物で、中世のスペインの雰囲気を楽しむことができ、内装は古い部分を残しながら美しく快適に改装されているとあって、世界中の旅行者から大人気!
「パラドール・デ・オンダリビア」は元々980年に建てられた要塞。その後16世紀にカルロス5世のお城として改築されたそうです。
もともと要塞だったということもあり、外壁は重厚な石造りです。
パラドールの前には広場と、いくつものバルがあります。普段は地元の人々で賑わっている場所なんです。
こちらは看板。このデザインも素敵です!
恐る恐る入ってみると…
幻想的な空間が広がる、ここがロビーです。まるで中世のお城に迷い込んでしまったよう。
でもフロント係のおじさんは、英語もフランス語もペラペラ。ホテルと同じようなサービスが受けられるので安心です!
こちらは大広間。
階段や部屋はホテルらしく改装されていますが、一部の壁などは中世のものがそのまま残されています。
こちらはエントランスを抜けたところにある中庭です。
中庭部分は朝食のエリアとなっています。このあたりは昔の様子がわかるようになっていて、右側にある階段などは16世紀に建てられた部分そのままだそうです。
石と石の隙間から植物が生えてきていたりして、とても優雅な雰囲気。
そして、こちらが川に面したテラスです。
ここから臨む景色もとても素晴らしいものでした。
この川が国境になっており、こちら側はスペイン、向こう側はフランスです。
川に浮かぶたくさんのボートは動くことなく、ユラユラと揺れていてとても幻想的。
すぐ近くに見えるフランスへ思いを馳せながら、テラスでゆっくりとお茶を楽しむことができます。ずっと眺めていると、小さな悩みを忘れてしまうような、心が洗い流されるような不思議な気持ちになりました。
中世のお城での宿泊、とても貴重な体験でした!
スペインに100近いパラドールがあるそうなので、スペインに旅行に行かれる際はぜひ試してみてくださいね。