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インタビュー&コラム

■俳優インタビュー

南沙良

ローティーン向けファッション誌「nicola(ニコラ)」(新潮社)専属モデルの、女優・南沙良(みなみ・さら/16)さんが“初”主演を務める映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』が、7月14日(土)から東京・新宿武蔵野館ほか全国順次公開中だ。『ALWAYS 三丁目の夕日』(山崎貴監督)や『舟を編む』(石井裕也監督)、『あん』(河瀬直美監督)など、教育上の価値が非常に高く、社会的に幅広く鑑賞されることが適当と認められた作品として、公開前に、文部科学省の特別選定作品にも選ばれた本作。珠玉の青春映画で、南さんの演技が注目を集めている。

 

 

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同作は、実体験をベースに描いた漫画家・押見修造(おしみ・しゅうぞう)の同名タイトル「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(太田出版)が原作で、ファンの多い押見作品の中でも、ひと際注目度が高い作品。思春期を迎えた少年少女たちが抱える葛藤や苦悩を描きながら、誰しもが持っているコンプレックスとの向き合い方、自分のあるべき姿について描かれている。

 

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(C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

 

 

南さんは、上手く言葉が話せないことに引け目を感じ、周囲と馴染めずにいる高校一年生・大島志乃(おおしま・しの)を演じる。次第に変化していく内面を繊細に表現し、言葉が上手く話せない“吃音症(きつおんしょう)”という難役に挑んでいる。撮影後、南さんは、「他の人と違う部分やコンプレックス、劣等感、自分の嫌いなところなど、誰もが持っているような〈悩み〉や〈苦しみ〉。その悩みを乗り越えようとする様子を見た時に感じられるものが必ずあると思う」と話す。監督を務めた湯浅弘章(ゆあさ・ひろあき)氏も同作に対し、「今まで観たことのない荒削りで繊細で力強い作品」と語る。押見氏も、「漫画を超えて、広く心に届く作品」と期待を込める。]

 

 

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(C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

 

 

南さんは、2002年6月11日生まれの16歳。2014年に開催された、第18回ニコラモデルオーディションのグランプリを受賞し、芸能界デビュー。現在も同誌専属モデルとして活躍する。今年の5月からは、若手人気モデルの登竜門として知られる、「nicola(ニコラ)」世代の3大ブランドの一つ、Lovetoxic(ラブトキシック)のイメージモデルを務め、毎年ポスト争奪戦が行われる同ブランドにおいて、一際注目を集める。

 

 

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Lovetoxic (C)NARUMIYA INTERNATIONAL
(C)Takahiro Otsuji

 

 

昨年8月、モントリオール映画祭で審査員特別賞を受賞した、映画『幼な子われらに生まれ』に出演し、女優デビュー。主人公・信(浅野忠信)の再婚相手の連れ子という複雑な役どころを演じ切った。人生初めての、芝居のオーディションだったにも関わらず、5回にも及ぶオーディションを見事勝ち抜き、報知映画賞、ブルーリボン賞新人賞にノミネート。南さんを起用した三島有紀子(みしま・ゆきこ)監督も「演技が始まると、いままでお芝居をしたことがないのに、相手役の投げる芝居に動物的なするどい勘で反応し、感情を反射的にしかも的確に返してくる。誤解を恐れず表現するなら、ずっと探していた〝イマジネーションに溢れた知的で危険な動物〟を『見つけた』」と語る。

 

 

 

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(C)2016「幼な子われらに生まれ」製作委員会

 

 

 

その後、「フレンズ」などで知られる、ロックバンド・REBECCA(レベッカ)の17年ぶりの新曲「恋に堕ちたら」のミュージックビデオに主演。監督を務めた、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』や、映画『ナラタージュ』などで知られる、行定勲(ゆきさだ・いさお)氏も、「オーディションで会ったときの演技の瑞々しさに心が奪われました。屈託のない笑顔と煌めく瞳を見てすぐに彼女を撮りたいと思いました」とコメントするほど。

11月17日(土)から、東京・新宿の映画館・K’s cinemaで開催のMOOSIC LAB(※)を皮切りに全国順次公開される映画『無限ファンデーション』でも、主演を務める。前作『お盆の弟』が第37回ヨコハマ映画祭にて主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞受賞の4冠に輝いた大崎章(おおさき・あきら)監督最新作で、全編を即興劇として、8月に群馬県高崎市を中心に制作される。

現在ドラマ出演は未経験、未だ映画出演は3作にも関わらず、業界の水面下で注目を集める、16歳の新人女優・南沙良さん。“初”主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で、“吃音症”という難役を演じる彼女は、今後どのように羽ばたくのか。注目が集まる。

■映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
http://www.bitters.co.jp/shinochan/

■映画『幼な子われらに生まれ』
http://osanago-movie.com/

■MOOSIC LAB 2018

http://moosiclab.com/

※映画監督とミュージシャンのコラボレーションによって制作された映画を上映する映画祭

 

 

 

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