LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
【メルヘンの世界!三角の屋根が並ぶ世界遺産の町・アルベロベッロを散策!】
バルセロナに春の陽気がやってきました。でも、この季節に困るのが花粉。
今はイトスギという杉の一種が猛威をふるっています。
他にも、市内にたくさん植わっている美しい街路樹のプラタナス、ピンクの花を咲かせるアーモンド、さらにカナリア諸島から飛んでくるマンゴーなど、多種多様の花粉が春を迎えたバルセロナに吹き荒れます。
でも、こちらではマスクをしている人はほとんど見かけません。
薬局にマスクは売っていないですし、マスクをする習慣自体がないようです。
さて、少し前になりますが、春が来る少し前、南イタリアを訪問しました。
南イタリアと言っても、有名なナポリやアマルフィ海岸がある西側ではなく、東側。
イタリアの形をブーツに見立てた時“かかと”にあたる部分にある、プーリア地方です。
今回紹介するのは、アルベロベッロという町。
プーリア地方の主要空港があるバーリという町から車でおよそ1時間のところにある、人口およそ1万人の小さな町です。この町は、ある物で世界的に有名で、世界遺産にも指定されているんです。
その「ある物」とは、こんな家々が立ち並ぶ町並みです!
四角い石を積み上げて造られた、円柱と三角錐を組み合わせた特徴的な形の家。
17世紀頃からこのような三角屋根の家が建てられ、町中がこの家々で統一されています。
この家は「トゥルッロ」(複数形で「トゥルッリ」)という名前がついていて、この家を見るために世界中から観光客が集まってきます。
屋根には、白い不思議なマークが描かれています。これは、ここに住む人の思想や、信仰での希望などをあらわすシンボルなのだそう。
魔術的な意味が含まれているものもあるそうです。
今回は、このトゥルッロのホテルに宿泊しました。
天井が高いからか、建物の中は広々しているように感じます。
天井は4本のアーチが支えになっているのですが、他の部分にもアーチが多用されているのが印象的です。
この町並みが造られたのはおよそ400年前にさかのぼるのですが、17世紀、この領地を持っていた伯爵が、建物ごとに課せられていた税金税から逃れることを画策し、「税の査定官が来たらすぐに取り壊せるように」とこのような三角の屋根の家を造ったそうです。
こんな美しい町並みができた理由が、税金対策というのはおもしろいですね。しているうちにあっという間に一日が過ぎてしまいます。
町の高台からは、丘の反対側にあるトゥルッリの住宅群を眺めることができました。
さらにこの時期、夜になるとライトアップを楽しむことができました。
家ごとに、中々に派手なイルミネーションがお目見えし、とても華やかに町を彩っていました!
イタリア国内では比較的アクセスの悪い場所にあるアルベロベッロですが、ここにしかない町並みを散策に来る人々でいっぱい!
日本の白川郷を観に世界中の人が集まるようなイメージでしょうか。
小さな町ですがとても活気があり、私も町歩きを楽しみ、たくさんの美しい写真を持ち帰った、とても充実した時間でした。