LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
【バルセロナの市場は食のワンダーランド!…でも和食に欠かせないアレがない!】
今年のバルセロナは異常気象と言われていて、まだ朝晩はジャケットが必要な寒さ。少し冬に逆戻りしてしまったようです。でも、相変わらず日差しはさんさんと降り注ぎ、新緑も美しい5月。観光客もたくさん訪れる季節です。
さて、今回は、バルセロナでの日々の生活について紹介したいと思います。
こちらは、バルセロナでの生活に欠かせない場所。何だかおわかりでしょうか?
そうです、市場です!スペイン語では「mercado」(メルカード)と言い、大きな建物の中に、八百屋や肉屋、魚屋、乾物屋、チーズやハムの店などがそれぞれ商店を出しているのが一般的。
地域ごとに大小さまざまな市場があり、地元の人々が日々の食材や日用品を買うために集います。
市場によっては、魚屋や肉屋にバルが併設していて、売っている新鮮な魚や肉をその場で調理してくれるという店もあります。ですので、朝、市場に行ってその日の夕食のメニューを考えながら、その日のおすすめ食材の朝ごはんを食べて帰るというのも王道の楽しみ方。こちらは、チーズやハムのお店。
ほかにも、バナナ屋やタマゴ屋などの専門店もあり、見ているだけでもおもしろい!
こちらはタマゴ屋さん。
スペインでは生卵を食べる習慣はないのですが、たまに生でも食べられる卵を売っているお店もあります。
買い物の仕方は日本のお肉屋さんと同じで、その日のおすすめを聞きながら、売り物を指差してオーダーしていきます。
魚をさばいたり、肉も一口サイズに切ってくれるので、とても便利です。
バルセロナにはスーパーマーケットもたくさんありますが、店の人と簡単な会話をしながら、たくさんの種類の商品を眺めながら買い物をするのは格別!
トマトだけでもこの種類の多さ!
いつもどれを選べばよいか迷い、気分でなんとなく選んでいますが、現地の人に言わせると、「これはサラダ用、これはスープ用、これはソース用」と細かく分かれているようです。
さて、私は自宅では和食を作ることが多いのですが、こちらでは和食の王道・「肉じゃが」「すきやき」「しゃぶしゃぶ」を作るのに苦労するんです。
その理由はズバリ、薄切りの肉がなかなか売っていないから。
そもそも「肉は大きく切って食べることこそ幸せ!」というお国柄のようで、わざわざ薄く切って食べるなんて…と思う方が多いようなんです。
なので、日本にあるような、パックに入った便利な薄切り肉はどこにも売っていません。
多くの肉屋さんでは、「薄く切ってください」とお願いすると、焼き肉の厚さくらいには切ってくれますが、「もっと薄くしてくれませんか」と言うと、だいたい包丁を置き、両手を挙げるジェスチャーで「それは無理だよ!」と断られます。
が、近年の日本食ブームも手伝ってか、市場のお肉屋さんでは塊の肉を薄く切ってくれる店も増えてきました。現地に在住する日本人の間では、「この肉屋さんは薄切り肉やってくれるよ!」と噂になり、「薄切り肉にしてくれる肉屋リスト」というのも存在するほど。薄切り肉ってこんなに大事だったんだ!と、外国に住んであらためて“日本の当たり前”を実感しました。
普段の生活に欠かせない市場ですが、観光地のエリアにある市場では、生ハムやチーズが食べ歩きできるようにパックされたものが売っていたり、フレッシュジュースが並んでいたりして、食べ歩きの一大スポットにもなっているんです。
ヨーロッパに旅行する際は、そんな市場の文化をぜひ体験してみてくださいね!
ただし、スリには気を付けて…。