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インタビュー&コラム

『孤独のグルメ』の原作者久住昌之が行くクスッとロケ地

愛知県・日間賀島映画『ビルと動物園』、バラエティ多数

こんなに近くても島には島時間がある

 kusuttohimakajima

 

 名古屋から車で約1時間、知多半島の先端から船でたった5分という、日間賀島に行ってきた。

 昼だったので、ランチは港近くの島バル・大留で。まだ新しい小ジャレた店。でも店の人の感じとか、やっぱりどこか島っぽい。今回本誌編集者ふたりが同行してくれたので、三種の丼を頼んでシェア。天丼はその具の多さにビビリ、穴子丼はそのタレの濃い色にビビりましたが、味はどちらもオイシイ。でもボクが一番気に入ったのはサッパリしたしらす丼。とびこと紫蘇と海苔と梅干しがのっていて、こういうしらす丼は初めて。味の混じったところがタマラナイ。ボクはこればかり食べた。昼の生ビールがウマい。

 

 干物店などのぞいてからホテルへ。部屋から、向かいに篠島が見える。この風景がスバラシイ。夜は宿で、島名産のふぐ刺しと、タコのほうろく蒸し、茹でタコ丸一匹、ワタリガニのほうろく焼きという大御馳走。獲れたばかりのケンサキイカもおいしかったなぁ。でもボクは小食なので少しずつしか食べられませんでした。スタッフがいてよかった。面白かったのは、ここのタコはワタリガニを食べて育つので、大きいものはカニ代入れると一匹が何万円かになるという話。そんな話に笑いつつのむヒレ酒がウマイ。でも結局ボクが一番感激したのはシメのタコ飯。素朴で歯ごたえも香りも味もやさしく、タコのおいしさが一番わかるような気がした。

 

 ぐっすり眠って翌朝は日の出とともに起き、朝風呂に入って、ホテルのデッキでくつろぐ。ここの解放感が半端ない。ストレスなんて霧散。暖かくなったらまた来たい! というか、この島でライヴができたらどんなに楽しいだろう、などとラウンジのピアノを横目で見て夢想。

 

(続きはロケーションジャパン62号で)

【PROFILE】 愛知県・日間賀島

くすみ・まさゆき
『孤独のグルメ』の原作者。東京都出身。作画・和泉晴紀とのコンビ「泉昌之」で描いたマンガ『夜行』でデビュー(81年)。実弟・久住卓也とのユニットQ.B.B作の『中学生日記』(青林工藝舎)で第45回文藝春秋漫画賞を受賞。原作マンガ『孤独のグルメ』(扶桑社)、『花のズボラ飯』(秋田書店)は揃ってドラマ化。漫画、エッセイ、切り絵、音楽など、多方面で活躍中。最新作、東京から大阪まで2年間かけて散歩をした実録エッセイ『野武士、西へ 二年間の散歩』好評発売中。

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