映画『パラレルワールド・ラブストーリー』
東京は魅力の詰まった街。
まだ知らない場所がたくさんある。
舞台にバラエティー、ドラマと多彩な活躍を見せる玉森裕太さん。
4年ぶりの映画主演となる『パラレルワールド・ラブストーリー』では、いったいどんな一面を見せてくれるのか。
その役どころと、東京での撮影の様子について語っていただきました!
追い込まれた現場
ドSの監督と相性抜群!?
Kis-My-Ft2のセンターとして絶対的人気を誇る玉森裕太さん。シリアスなドラマでクールな一面を見せたかと思えば、グループの冠番組であるバラエティー『キスマイ超BUSAIKU!?』で天然ぶりを発揮、メンバーとのやりとりではツンデレの顔をのぞかせるなど、その表情は極めて多彩だ。
そんな玉森さんが俳優として新境地を切り開いたのが、5月末に公開される『パラレルワールド・ラブストーリー』である。
2つの世界にまたがるミステリアスな「三角関係」を描いた本作は、東野圭吾さんが1995年に発表した同名小説の実写化。パラレルで進んでいく世界に友情や恋愛が絡むこの物語は、その複雑さから「映像化不可能」といわれていたものだ。そして、玉森さん演じる主人公は、愛する女性・麻由子への思いと、親友であり恋敵でもある智彦との友情との間で揺れる研究者。麻由子が自分の恋人である世界と、智彦の恋人として存在する世界という2つの世界に翻弄される難しい役どころである。オファーを受けた玉森さんは、これまでにない覚悟を持って作品に臨んだという。
「経験したことのない難しい役だし、人気作家の東野圭吾さんの原作でもある。全てが不安でした」
こう振り返る玉森さん。リハーサル時には、緊張を森義隆監督に見抜かれていたのだとか。そんな玉森さんに対し、監督は
「追い込みがいがある俳優」
として撮影中はプレッシャーをかけ続けたそう。ユニークなのは、玉森さんの受け止め方だ。
「相当追い込まれました。ただ、監督の求めているものを出さないといけないと思っていたし、嫌だとかつらいとかは全く思わなかったです。自分自身でも追い込んでいたし。たぶんドMなんです、僕。ドSの監督との相性抜群ですね(笑)」
「引き込む演技」に苦悩
俳優という仕事を再確認
こんなふうに、時に笑いも交えてひょうひょうと語る玉森さんだが、一方で、俳優という仕事についてあらためて考える現場でもあったそうだ。
「俳優としての振る舞い、役へのアプローチの仕方などを監督から教えていただいたのは、この現場が初めてでした。いろいろなご指導をいただいて、自分に足りていなかったことにあらためて気付くことができました」
なかでも監督から掛けられた言葉で印象に残っているのが、
「表現しなくていい。引き込んでほしい」
というものだった。これは、玉森さんの「引き込む力の強さ」を見込んでの言葉に他ならない。しかし、表現せず佇まいだけで見せるのは、言うほど容易なことではないはず。
「監督の言っていることはすごく分かる。分かってはいるんだけど、いざ演じてみると分からなくなるんですよ」
と、当時の葛藤に思いをはせる玉森さん。撮影期間中は、現場を離れている間も崇史でい続けたと言う。
「他の仕事の現場でも、崇史の抱えているモヤモヤや不安を忘れないようにしていたので、メッチャ愛想のないヤツだったと思います(笑)。ずっと下を向いていてしゃべらないし、『アイツ、なんなんだ!?』って思われていたんじゃないでしょうか。とにかく撮影期間中は集中していました。ここまで意識して没頭していたのは初めてだと思います」と玉森さん。この作品では、友情と恋愛の板挟みから、崇史の中にある嫉妬など人間の醜い部分もあらわになる。意地悪な質問だが、玉森さん自身の中にそういうものはあるのか。に思いをはせる玉森さん。撮影期間中は、現場を離れている間も崇史でい続けたと言う。
(続きは本誌を御覧ください)
映画『パラレルワールド・ラブストーリー』
■Story
研究者の崇史は、同じ研究所で働く親友の智彦に恋人を紹介される。その女性・麻由子は、以前、崇史が人知れず想いを寄せていた女性だった。嫉妬に駆られる崇史だが、ある朝、目を覚ますと、麻由子は自分の恋人になっていた。そして智彦は消えていた。愛する麻由子と自分が恋人同士の世界、智彦の恋人として麻由子がいる世界――2つの世界に迷い込んだ崇史が、混乱と苦悩の果てにたどり着いた真実とは……。
■作品詳細
監督:森義隆 原作:東野圭吾『パラレルワールド・ラブストーリー』(講談社文庫)
出演:玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太、筒井道隆、美村里江、清水尋也、
水間ロン、石田ニコル、田口トモロヲ ほか
(C)2019 「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会
(C) 東野圭吾/講談社 http://www.parallelworld-lovestory.jp
ロードショー5月31 日(金)
玉森裕太(たまもり・ゆうた)
1990年、東京都出身。2004年、『DREAM BOY』 で舞台初出演。09年『ごくせん THE MOVIE』で映画初出演。11年、Kis-My-Ft2としてCDデビュー。同年『美男ですね』(TBS)でテレビドラマ初主演。その後も『信長のシェフ』(13/テレビ朝日)、『ぴんとこな』(13 / TBS)、『リバース』(17 / TBS)などに出演。『キスマイ超BUSAIKU!?』(13 ~/フジテレビ)などバラエティー番組でも活躍中。映画主演は『レインツリーの国』(15)以来。