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2023.03.08

「ピッカピカの一年生」から飛躍の二年生へ
千葉県旭市でロケが急増した訳

#千葉県旭市

市の知名度向上とブランド力の発信を目的としたロケツーリズムの取り組みを始めて、1年が経とうとしている千葉県旭市。長年「銚子の隣」と言われてきた同市が、今「旭市」として新たな地位を築こうとしている。その躍進の裏にある取り組みは過去の記事でも紹介している( 『孤独のグルメ』で問い合わせ殺到! 千葉県旭市がロケ地に選ばれる理由 – LOCATION JAPAN.net ロケ地から、日本を元気に!ロケーションジャパン 参照)が、その成果を締めくくるシンポジウムが、2月7日(火)千葉県旭市内で開催された。

 

登壇したのは、旭市が包括連携協定を結ぶ㈱地域活性プランニングの藤崎代表と、実際に番組制作にも携わっている㈱BS-TBSの王堂健一プロデューサー。米本市長や市役所職員、観光物産協会、撮影サポートを行うおっぺし隊など、合わせて50名ほどが参加し熱心に耳を傾けた。

 

三年間の包括連携協定の一年目としてまず取り組んだのは、ロケ受け入れ実績を増やすことでの露出度アップと、その体制作りだ。昨年7月のロケーションサービス設立以降、ロケ地検索サイト「ロケなび!」への掲載や、ロケ地マップの作成を行い、映像制作者に対しても、それを見て訪れる観光客に対しても情報発信する環境を整えている。とりわけ、雑誌「ロケーションジャパン」112号で掲載した映像制作者向け広告では、自らを「ピッカピカの一年生」と敢えて自虐的に打ち出すことで大きな反響を得た。こうした取り組みの中で知名度は少しずつ向上し、今ではリピーターになる制作者も増えてきているという。

 

制作者からの認知が上がれば、おのずと撮影も増えてくる。昨年の開始からすぐに情報番組や旅番組が撮影され、その後人気ドラマも決定するなど大躍進の一年となった。なかでもドラマ『孤独のグルメ』においては、昨年5月に開催された映像制作者向けのロケハンツアーがきっかけだったといい、実際の放送では旭市役所の庁舎や、市のパンフレットがそのまま登場するなど、大きなPR効果にもつながっている。放送から2か月が過ぎた今も、舞台となった店舗には県内外から多数の客が訪れているようで、市役所職員の一人も「窓口にお越しになる方からも声をかけられる。番組に登場した市のパンフレットの取り寄せ依頼が何件もあるほど」と、反響の大きさに驚きの様子だ。

 

来年度には、ロケツーリズムに取り組む地域として“二年生”になる旭市。こまめな情報発信はもちろんのこと、今年度の実績を生かす動きにも注力していく。その中のひとつとして、まずは「ロケ地看板」の制作を進めている。ドラマで訪れた俳優が、その場所でどのようなシーンを撮影したのか、見た人がその作品を追体験できる、いわゆる「聖地」にできるツールだ。旭市では今後、そのための施策を次々に投じていく。会の参加者からは「旭市でもよい事例を作れるように、ファンを増やしていきたい」と前向きな言葉も上がっていた。

 

聖地といえば、昨年市内で撮影されたミュージックビデオのロケ地・飯岡灯台が話題を集めている。人気音楽ユニットYOASOBIのボーカルとしても知られるシンガーソングライター・幾田りらの楽曲「スパークル」で、動画は既に479万回再生(2023年3月2日現在)を超えており、なかには「このロケ地行ってみたい」とのコメントも見られる。そんな、新たな聖地が続々生まれる予感のする旭市を、これから注目してほしい。

 

 

 

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