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インタビュー&コラム

『孤独のグルメ』の原作者久住昌之が行くクスッとロケ地

神奈川県横浜市・日ノ出町ドラマ『孤独のグルメ』

横浜の日常の顔を味わう

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 今回はとうとうボクが原作のドラマ「孤独のグルメ」のロケ地をたずねることになった。season3の第1回、横浜の野毛。
 井之頭五郎が行くのをやめた「野毛山動物園」に向かう。昔から地元民に愛される小さな動物園、ということしか知らない。なだらかな野毛山の頂上にある。坂が結構長く、ちょっと汗ばむ。園の入口に着くと、親子づれがいっぱいいる。チケットを買おうとしたが、案内の窓口に料金が出ていない。あれ? と思ってキョロキョロしているうちにも、子供達はどんどん入園していく。なんと、この動物園は入園無料だった。驚いた。入ると花壇に色とりどりの花が咲いている。桜が散り時で、風が吹くと桜吹雪が舞った。いい日に来た。新緑と桜が眼にご馳走。

 

 レッサーパンダがカワイイ。チンパンジーのコブヘイは両手を叩いてパンパンと大きな音を立てたり、愛嬌があった。しかし、ライオンは獣舎修理中で見れなかった。キリンも、今日は都合により広場に出ていなかった。シロクマも休みだった。トラは爆睡していた。爬虫類館も工事中だった。「全然ダメじゃん」と普通なるところだが、タダのせいか気候がいいせいか、全然ガッカリしない。実際のんびりした動物園だ。カップルも老人たちもいる。隣接して野毛山公園もあり、ここでお弁当を食べている近くの会社員やOLがいっぱい。いいなぁ、こんな場所でお昼。新しい展望台があったので馬鹿だからすぐ上る。横浜一望。ランドマークタワーがそびえ立ち、マリンタワーもチョッピリ見えた。家がビッシリ建っているが、眼下は江戸時代には海だったのだ。

 

 さてボクも腹が減ったので、本誌編集部と合流して『孤独のグルメ』のロケ地「第一亭」へ。久しぶりだ。店員さんたちが歓迎してくれた。さっそく番組で五郎が食べたチートとパタンを食べる。ビールも頼む。モツの生姜炒めチートが最高のアテになる。そしてみんなでパタンの強烈なニンニクの洗礼をあびる。店のオジサンはオンエア以来、パタンの作り過ぎで指がふやけて大好きなギターが弾きにくくなった、と笑う。店員さんの明るさがうれしい。最後は美味しい中華風のおじやでしめる。これがまた、ウマイ!
(続きはロケーションジャパン63号で)

 

【PROFILE】 神奈川県横浜市・日ノ出町

くすみ・まさゆき
東京都出身。作画・和泉晴紀とのコンビ「泉昌之」で描いたマンガ『夜行』でデビュー(81年)。実弟・久住卓也とのユニットQ.B.B作の『中学生日記』(青林工藝舎)で第45回文藝春秋漫画賞を受賞。原作マンガ『孤独のグルメ』(扶桑社)、『花のズボラ飯』(秋田書店)は揃ってドラマ化。漫画、エッセイ、切り絵、音楽など、多方面で活躍中。最新作、漫画版『野武士のグルメ』も大好評、絶賛発売中!

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