ホーム > インタビュー&コラム

インタビュー&コラム

バルセロナ日記

LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記 Vol.55

【“音楽とカフェの都”ウィーンへ!映画「アマデウス」ゆかりの宮殿、スイーツ三昧のカフェ巡りを堪能】

 

長い冬も、だんだんと終わりに差し掛かってきましたね。バルセロナは暖かい日が続いていましたが、1月後半は“グロリア”という名前がつくほど大きな低気圧に覆われ、珍しく嵐となりました。これが明けて春が来るのが楽しみです。

 

今回は、年末に訪れたオーストリアのウィーンをご紹介します。

 

まず訪れたのは、ウィーン中心部からトラムで30分ほどのところにある「シェーンブルン宮殿」。ここは640年もの間オーストリアに君臨したハプスブルグ家の夏の宮殿で、その広さは1.7キロ平方メートルもあります。

 

001

 

映画「アマデウス」では、ここで幼いモーツァルトがマリー・アントワネットに会う場面が描かれていました。マリー・アントワネットは15歳までここで過ごしたそうです。時代が変わってナポレオンがウィーンを占領した時には、ナポレオンはここに滞在していたそうです。まさに世界史の重要な舞台となった場所!無意識に背筋が伸びます。
内部は撮影禁止でしたが、美しい調度品に細かな刺繍の入ったカーテンやクッション、豪華絢爛な金色の家具など、まさに映画そのものの世界。ハプスブルグ家の豪奢な生活を垣間見ることができました。

 

ウィーン中心部に戻り、散策していきます。王宮庭園ではモーツァルト像と美しく造形されたト音記号が迎えてくれました。

 

002
003

 

さて、今回私がウィーン観光で最も楽しみにしていたのが、カフェ巡りなんです。このコラムを読んでくださっている方には「また食べ物の紹介!?」と思われるかもしれませんが、ウィーンには“カフェハウス”と呼ばれる美しいカフェがたくさんあります。市民がカフェを楽しむ文化は16世紀にはじまり、19世紀頃に最盛期を迎えたそう。数々の芸術家、小説家、政治家などもカフェに集い、様々な関心事を語り合う場として栄えたそうです。
現代ではその美しい内装や独特のメニューなどが注目され、今では観光アクティビティとしても大人気なんです。

 

美味しいコーヒーとスイーツを楽しみながら街の歴史を学び、さらに休憩もバッチリできる、観光には最高の場所なので、とてもおすすめです!

 

こちらはウィーンの中でもかなり有名なお店「カフェ・セントラル」。

 

004

 

この日は強い雨が降っており、さらにこの時まだ朝9時!人気の高さをうかがわせます。
たまたま早起きした私は、オープンとほぼ同時に入店し、なんとか美味しいコーヒーと朝食をいただくことができました。

 

005

 

この建物は歴史的に重要なもので、19世紀に建てられた宮殿なのだそう。天井のアーチがとても美しく、高級感があります。

 

そしてこのケーキの数々!

 

006

 

ショーケースの中から好きなものを選んで注文します。どれも美しくて迷ってしまいますね!

 

何となく、スペインの“バル巡り”に似ているような気がして興味を持ったカフェ巡り。でも、美味しいコーヒーを飲みスイーツに舌鼓を打ちながら、中世に迷い込んだかのような美しい内装やウェイターさんたちの無駄のない身のこなしを眺めていると、心の中が浄化されてだんだん新しいエネルギーが湧いてくるような気がするから不思議です。

 

こちらはウィーンを代表するケーキ「ザッハトルテ」であまりにも有名な「ホテル・ザッハー」のカフェ。

 

007

 

じつはここ、私が学生の時に卒業旅行で訪れた場所。(私は大学で音楽を学んでいたんです!)その時、憧れのウィーンに来られた喜びと共に夢中でいただいたのがザッハトルテでした。でも味の感想は、「とにかく甘い!これがヨーロッパの味なのか!」でした。慣れない海外旅行の疲れを癒す甘さとしては最高でしたが、決して食べ慣れた味ではなく、想像していた“いわゆる美味しいチョコレートケーキ”とは違ったんですね。

 

今回十数年ぶりに、“憧れのザッハトルテ”に再会!私の舌は成長したでしょうか。

 

008

 

満面の笑みです。
チョコレートが入った糖衣のコーティングがこってりと甘く、中のスポンジはしっとりフォークで押すとチョコレートが染み出てきそうな濃厚さです。でも、中にはあんずのジャムが塗られていて、かすかな酸味が甘さを和らげ、絶妙なバランスを醸し出しています。
さらに、添えられた生クリームと一緒にいただくと、とても不思議なのですがこってりとしたケーキが少し軽く、さっぱりとした口当たりになるんです。
甘い物が苦手な方にはおすすめできませんが、この味が世界中の人々を虜にし、今やホテルや不動産経営までするほどの大企業を作ったのかと思うと、とても感慨深いものがあります。

 

冬なので、夕方には日が暮れてしまいます。

 

009

 

010

 

最後に、「世界でもっとも美しい図書館」とも言われる「プルンクザール」にも訪れました。

 

011

 

012

 

こんな図書館でゆっくり読書を楽しみたいですね…

 

さて、音楽探訪のはずがすっかりスイーツ三昧になってしまいました。
旅先ではつい予定を詰め込みがちですが、たまには旅先の老舗の店でゆっくりと腰を下ろし、店と共にその町の歴史や文化について思いを馳せたり語り合ったりするのも旅ならではの過ごし方ではないでしょうか。観光している私たちもまた、その店がこれから辿る歴史の一部になっていくのかもしれませんね!

 

※前回までの記事はこちら!

 


バックナンバーはこちらをクリック!ibano_p_02

 

この記事をシェアする

©Location Japan. All rights reserve